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社長メッセージ

店舗数の拡大から商品力の強化へ―― 新たな中期3ヵ年経営計画をスタートさせます。代表取締役会長兼社長 田代正美

過去8期に渡る中期経営計画を振り返って

 当社グループは、持続的成長の実現に向けて、8期前の2010年度から中期経営計画に基づく事業戦略を推進し、その過程において持株会社体制への移行をはじめ、多くの変革を遂げてきました。
 2010年度から2014年度までの中期5ヵ年経営計画では、「事業規模の拡大」を戦略目標に掲げ、スーパーマーケットとドラッグストアの両事業において出店を加速しつつ、製造小売業への進化に必要なインフラを構築すべく、物流及び製造・加工機能の拡充を図りました。
 その成果と課題を踏まえ、2015年度から2017年度までの中期3ヵ年経営計画では、規模拡大によって生じたひずみを是正すべく、「経営効率の改善」を目指してきました。3ヵ年の重点施策としては、スーパーマーケット事業の構造改革に向けて、インフラ活用レベルの向上や既存店の強化に取り組む一方、グループ成長の牽引を託したドラッグストア事業については、高水準の出店を継続しました。
 結果として、営業収益が5,000億円を突破し、23期連続増収を果たすなど、ドラッグストア事業の伸びを中心とする拡大を遂げました。しかし収益性の面では、インフラ活用において一定の成果が見られたものの、人件費の上昇や新規出店・改装費用の増加を受けて店舗収益力が低下するなど、スーパーマーケット事業を中心に効率改善に遅れが生じ、計画策定時に掲げた利益目標は、いずれも未達となりました。資産効率についても、2017年度はROAが5.4%、ROEが6.9%にとどまり、計画開始前より悪化しています。

事業環境の変化に伴うリスクファクターの顕在化

 この数年間で、当社グループの事業を取り巻く環境は大きく変化し、多くのリスクファクターが顕在化してきました。労働人口の減少による人員不足が顕著となったほか、人件費の上昇や求人費用の増加、新規出店に係る建築費の高騰などが店舗の収益性低下を招いています。一方、消費者の側では、ニーズの多様化や品質へのこだわりによって購買行動が変化し、平均的な品揃えでは対応できない傾向が強まってきました。
 そうした中で、コンビニエンスストアなどの他業態が買物のチャネルを拡げ、これまでドミナント出店による囲い込みとチェーンストア経営による効率性を武器に拡大してきたスーパーマーケットは、「消費者との近さ」という優位性を他業態に奪われつつあります。中期3ヵ年経営計画の未達要因となった店舗収益力の低下と資産効率の悪化は、これらの環境変化が背景となっているのです。
 今後、当社グループが環境変化に適応し、状況を打開していくためには、これまで進めてきた製造小売業としてのビジネスモデルの追求に加えて、スーパーマーケット事業のフロント部分である店舗のあり方を変えていかなくてはなりません。商圏を拡大できる、すなわち、お客様が遠くからも足を運んでいただけるカテゴリーを打ち出すとともに、その構成要素である一つひとつの商品を強化していくことが必要だと考えています。

店舗数から商品力へのパラダイムシフト

 これからの事業環境においては、当社グループが従来の店づくりによって店舗数を拡大しても、企業価値の向上には繋がらないと認識しています。この点を踏まえ、2018年度からスタートした新中期3ヵ年経営計画では「店舗数から商品力へのパラダイムシフト」を基本方針に定めました。「標準的店舗の量的拡大」に拠らず、「商品力を軸としたフォーマットへの転換」を中長期的な成長イニシアティブとし、店舗収益の改善を中心に収益性を高めていく考えです。その実践に向けての重点施策として、「競争力あるフォーマットへの転換」「製造小売業への進化」「新たな成長軸の確立」を推進します。
 「競争力あるフォーマットへの転換」は、スーパーマーケット・ドラッグストア・ホームセンターの3事業で、従来以上に専門性を追求し、強化カテゴリーの魅力を高め、商品力による来店動機の醸成を図ります。スーパーマーケット事業は、新規出店を抑制しつつ、年間30~40店舗の改装を実施します。ドラッグストア事業は、引き続き成長ドライバーとしての役割を担いながら、改装やリロケーション、スクラップ&ビルドを行い、利便性に加えて、カウンセリング機能などを備えた健康を軸とする店舗づくりを進めます。ホームセンター事業は、大型店を中心に専門性と「暮らし」に関する物販・サービス機能を付加していきます。そして、各事業で求められる現場力の向上には、高い商品知識やサービス能力を持つ人材の育成が鍵となるため、店舗スタッフの教育や店舗の組織力を引き出すコミュニケーションの円滑化に一層注力していく考えです。
 「製造小売業への進化」は、お客様に選ばれる商品力やサービス品質、コスト競争力を作り上げていきます。また「新たな成長軸の確立」として、スポーツクラブ事業でフィットネスジム「Will_G」を3ヵ年で200店舗以上出店し、シェア向上とともにブランド力を形成していきます。
 以上の取り組みを通じて、新中期3ヵ年経営計画では、最終年度の2020年度における連結業績として「営業収益6,000億円、経常利益185億円」を目標に掲げ、資産効率の改善については「ROA6.0%、ROE8.5%以上」の達成を目指します。

収益性改善の足掛かりを築く中計初年度

 新中期3ヵ年経営計画の財務政策では、収益性の向上によるキャッシュ・フローの創出を重視し、3ヵ年累計で730億円以上の創出を目指します。また財務規律としては、「デット・エクイティ・レシオ0.8倍」及び「自己資本比率40%」の維持を掲げています。
 利益配分については、年間230~240億円を成長投資に充て、そのうち30~40%を既存店に振り向けていきます。株主の皆様への配当は、従来通り配当性向25%を目処に、安定的かつ継続的な利益還元を実施していく方針です。
 2017年度の連結業績は、固定資産の減損損失29億43百万円を特別損失に計上し、最終利益が計画を大きく下回りましたが、期末配当については上記方針に則り、予定通り1株当たり24円とさせていただきました。これにより中間配当の同21円と合わせた年間配当額は、前期比5円増配の同45円(配当性向30.4%)となりました。2018年度も増配を継続し、年間配当額を同48円(中間同22円・期末同26円)とする予定です。
 2018年度の連結業績は、営業収益5,600億円(当期比2.9%増)、営業利益148億円(同9.9%増)、経常利益163億円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益90億円(同18.9%増)を見込んでいます。新中期3ヵ年経営計画の初年度として、各重点施策にスピードを持って取り組み、収益性改善の足掛かりを築く1年とします。

グループの経営資源を活かしてシナジーを創出

 当社グループは、2018年4月1日付で役員の管掌変更と連結子会社の人事異動を実施しました。これにより、グループ経営における権限移譲を更に進めると同時に、各事業会社の競争力をより高めるべく、迅速な経営判断と執行を可能とする体制を整備しました。今後は、事業会社間の壁を廃して相互連携を強化し、グループの経営資源を有効に活用しながら、シナジーを創出できる体制を築き上げていきます。
 当社グループは、事業環境の激しい変化を乗り越え、新たな時代に対応していくために、ここに述べました事業の再構築を着実かつスピーディーに実行し、さらなる成長性の確保と収益性の向上を果たしてまいります。そして広く社会に必要とされ、愛されながら、ともに発展していく企業グループを実現していく所存です。
 株主の皆様ならびに投資家の皆様におかれましては、当社グループが拓いていく未来にご期待いただき、これからも長きにわたり事業活動へのご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。