Home > IR情報 > 経営方針 > 社長メッセージ

社長メッセージ

新しいスーパーマーケットを創りながら成長事業の拡大と効率改善を図っていきます。代表取締役会長兼社長 田代正美

当期(第60期)の営業状況をご説明願います。

 当期は、成長ドライバーとして積極出店を続けているドラッグストア事業を中心に、グループ全体で純増55店舗の出店拡大を果たし、全事業セグメントにおいて増収を確保しました。8月に子会社化した株式会社公正屋も増収に寄与した結果、営業収益が5,000億円の大台を突破し、期初に計画した5,200億円に達した一方、利益面は計画を下回り、各利益段階とも減益となりました。
 年間を通して振り返ると、期前半まで増益を維持しながらも、スーパーマーケット事業における収益改善の遅れと全社的な経費の増加が響き、減益に転じました。
 利益の減少に影響した外部要因として、パート従業員の採用難に起因する人件費の上昇、新規出店にかかる建築費の上昇、生鮮食品の仕入れ価格の上昇、そして異業態・異業種を含む競争の激化など、この1年で環境変化が急速に進んだことが挙げられます。しかも、これらの変化は一過性ではなく、構造的な問題として、企業に抜本的な改革を迫るものです。
 こうした外部環境の変化に対し、当社グループの内部では、近年の事業規模拡大のひずみとしてスピード感の鈍化が生じており、当期における収益改善の遅れを招いたものと認識しています。

どのような収益改善策を進めていきますか?

 これまで当社グループは、プライベート・ブランド商品の開発・販売、惣菜・ベーカリーの製造・販売、プロセスセンターの開設による加工機能の確立、アグリ事業への参入など、「製造小売業への進化」に向けた取り組みを推進し、バックシステムとしてのインフラ拡充を概ね完了させてきました。しかしその取り組みは「販売」の部分が未だ不十分であり、製造小売業が本来追求すべき高収益性の実現が課題となっています。
 その解決の鍵となるのが、スーパーマーケット事業の構造改革として取り組んでいる、生鮮カテゴリーキラーとしての強みを持った「EDLP(エブリデイ・ロー・プライス)」スタイルへの移行です。これは競争に勝てる店舗づくりを通じて収益改善を図るもので、当期はスーパーマーケット18店舗を改装し、生鮮部門の強化を進めながら、EDLP政策の導入を4店舗増やし(転換2店・新設2店)、計10店舗に拡大しました。EDLP店舗の平均客単価は、従来型のスーパーマーケットを大きく上回っており、「地域一番店」としての競争力確保とともに高収益化を遂げています。
 今後、EDLPへの移行を加速していく上で避けて通れないのが、店舗を運営するプロフェッショナルな人材の育成です。当社グループはその拡充に向けて、人材開発センターの設置準備を進めています。
 また大量出店のひずみとして、均質的なチェーン経営が店舗間ギャップへの対応不足を招き、非効率な面が表出しています。今後は、店舗オペレーションから従業員マネジメントまで店舗特性に即した経営に移行し、標準化からの転換を進めていきます。

今後の事業展開についてお聞かせください。

 これからの当社グループは、他社との同質化競争から脱却するために、変化しつつあるお客様のニーズを捉え、それに合わせた店舗フォーマットを開発・展開していく考えです。現在チャレンジしているのは、従来型のスーパーマーケット/ドラッグストア/ホームセンターに当てはまらない、新たなフォーマットによる出店・改装です。
 循環型農業の一環として運営する野菜直売所でお客様のご要望から精肉を取扱い始めた「ホームセンターバロー稲沢平和店」、惣菜・ベーカリーの店内製造・販売で従来のドラッグストアとは異なる需要を取り込む「V・ドラッグ豊川店」、「V・ドラッグ東郷西店」などの新店舗フォーマットでは、「お客様が業態を決める」という認識でニーズの変化を捉え、いずれも好調に推移しています。
 当社グループは、各業態を自社グループ内で展開しており、それらの組み合わせで創出したシナジーを強みとして活かすことができます。グループが持つ経営資源の価値を再認識し、他社にできない新しい業態づくりに挑戦していきます。

中期経営計画と今期(第61期)の見通しは?

 今期が最終年度となる中期3ヵ年経営計画は、「1兆円企業」実現に向けた成長加速の準備段階として位置付けているもので、「構造改革の推進」、「成長ドライバーの育成」、「組織基盤の強化」の3つを重点施策に掲げています。
 計画の進捗としては、当期までの2年間の取り組みにより、各重点施策において着実な成果を上げながらも、先に述べました通りスーパーマーケット事業を中心に収益改善の遅れが生じている状況です。
 今期は、スーパーマーケット10店舗、ドラッグストア35店舗など合計68店舗を新設し、競争力あるフォーマットの確立に向けて、スーパーマーケットとドラッグストアでそれぞれ30店舗の改装を予定しています。その他に中部薬品の物流センターの新設や人材開発センターの設置準備を合わせて231億円の設備投資を実施します。
 以上を前提に今期の連結業績は、営業収益5,500億円(当期比5.7%増)、営業利益173億円(同12.0%増)、経常利益187億円(同11.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益115億円(同9.3%増)を見込んでいます。営業収益につきましては計画策定時の数値目標を堅持しますが、利益計画は抑制しました。中期3ヵ年経営計画の最終年度として体質強化を図り、次の成長に向けた整備を進めていきます。
 なお当期の期末配当は、予定通り1株当たり21円とさせていただきました。これにより中間配当の同19円と合わせた年間配当額は、前期比4円増配の同40円(配当性向19.4%)となりました。今期の年間配当額については自己資本比率の改善状況を鑑み、同45円(中間同21円・期末同24円)を予定しています。
 当社グループは、安定経営による持続的成長を目指していますが、その実現のためには逆説的ですが革新性が不可欠です。変化しない企業は廃れていきます。「スーパーマーケットはこうだ」と決めつけず、お客様の声に耳を傾けるとともに、変化を先取りし、新しい価値を提供していくバローに変わっていきたいと思います。
 株主の皆様におかれましては、引き続き一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。