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社長メッセージ

商品力の向上へ―― 来店動機となる商品の魅力を高めるとともに企業間連携によるシナジーを創出します。代表取締役会長兼社長 田代正美

当期(2019年3月期)の営業状況を振り返っていかがでしょうか

 「店舗数から商品力へのパラダイムシフト」を基本方針とする中期3ヵ年経営計画の初年度にあたる当期は、店舗収益の改善を課題とするスーパーマーケット・ドラッグストア・ホームセンターの主要3事業で、競争力あるフォーマットへの転換に注力してまいりました。
 スーパーマーケット事業では、中核の株式会社バローでカテゴリーの特徴を前面に打ち出した改装を26店舗で実施しました。既存店改装に新店の好事例を取り入れたことで、生鮮部門の魅力がより高まり、売上総利益率の改善にも繋がりました。ドラッグストア事業では、カウンセリングを必要とする医薬品・化粧品の販売に注力し、売場展開や接客技術の向上を図る一方、オペレーションの効率化を進め、経費率を低減させました。また、ホームセンター事業では、建築資材や工具・金物を拡充して専門性を追求するとともに、自動車タイヤの交換やアウトドア用品などの暮らしを支えるカテゴリーを強化し、売上総利益率を改善しました。さらに、新たな成長軸の確立に向けて、スポーツクラブ事業ではフィットネスジム「スポーツクラブアクトスWill_G」の出店を加速し、51店舗の新設により、期末店舗数は146店舗に拡大しました。
 このような取り組みを進めた結果、24期連続増収を果たすとともに、主要3事業が増益に寄与し、営業利益以下の各段階でも増益となりました。しかし、第4四半期に人件費を中心に経費増加幅が拡大したほか、固定資産の減損損失27億7百万円を特別損失として計上し、最終利益が計画を下回るなど、収益性については課題が残りました。

中長期的な成長に向けた戦略についてお聞かせください

 当社グループが主として属する食品流通業の収益性は世界と比べても低く、その要因として「オーバーカンパニー(過剰な企業数)」、「オーバープロダクト(製造業の過剰生産)」、「オーバーストア(過剰な店舗数)」が挙げられます。少子高齢化による消費・生産人口の減少を背景に、企業再編や商品の絞り込みによる生産性改善が進むなか、「オーバーカンパニー」と「オーバープロダクト」はいずれ解消に向かうと見ていますが、「オーバーストア」の状況は当面続くものと考えています。ニーズの多様化や品質へのこだわりなど、お客様の購買行動の変化を踏まえると、遠くからでも足を運んでいただけるような、圧倒的な特徴を持つカテゴリーを打ち出すとともに、その構成要素である商品の魅力を高めてゆくことが必要となります。平均的な品揃えの店舗をいくら増やしても、持続的成長はもはや望めません。
 このような認識に立ち、商品力の向上に取り組んでゆく中で、製造小売業としてのビジネスモデルを磨くとともに、M&Aや企業間連携の活用も必要だと考えています。当期も商品に特徴のある食品製造業や地域性の強い生鮮の調達・販売ノウハウを持つスーパーマーケットを子会社化しました。また、非食品の調達においてはスケールメリットを享受できることから、株式会社ホームセンターバローとアレンザホールディングス株式会社との間の株式交換を通じ、ホームセンター事業を統合しています。この統合は、商品の仕入・開発においてシナジー効果を創出するだけでなく、東北地方から中国地方までの物流網構築の足掛かりとなるなど、包括的な取り組みへと発展させることで、ビジネスモデルをより強固にできると考えています。M&Aについては、単なる規模の拡大ではなく、当社が志向する製造小売業の機能が強化できるか、質の向上に繋がるかを重視しています。
 これから郊外を中心に人口減少が加速するとともに、お客様の生活スタイルが更に変化することを鑑みると、これまでスーパーマーケットを中心に創ってきたお客様との「接点」をいかに強くしてゆくか、その接点形成は食品のみに限定して良いのかは、今後のグループの成長戦略を描く上で重要なポイントになると考えています。お客様の中には「いつもは自分で調理するけど、たまには作ってもらった物が食べたい」というニーズがあり、惣菜専門店「デリカキッチン」はそれに応えることで、展開に広がりが出てきています。さらに、当社グループは食品を主に扱うスーパーマーケットだけでなく、ドラッグストア、ホームセンター、スポーツクラブと多様な業態を展開しており、食品に限らない価値をグループの経営資源を通じて提供できるのも強みです。
 また、ホームセンター事業においてインターネット販売に着手して以来、ネットが提供する最大の価値は利便性であると認識しています。そこで、働く世代の時間的制約という課題解決に向けて、2019年夏に専用アプリを活用した事業所向け宅配を開始します。今後もネットならではの強みを活かした取り組みを進めてゆきますが、これから生み出す新たなビジネスには、物流を始めとするグループの経営資源がより活かされてくると思います。

2020年3月期の重点施策を教えてください

 スーパーマーケット事業でようやく客数に回復傾向が見られ、既存店の改装効果に手ごたえを感じ始めています。2020年3月期においても、スーパーマーケットとドラッグストアで20~30店舗の改装を計画するなど、引き続き既存店投資に重点配分してゆきます。新店投資については、成長ドライバーとしての役割を担うドラッグストア、新たな成長軸として位置づけるスポーツクラブを中心とします。
 また、新たに連結対象となったアレンザホールディングス株式会社とシナジー効果を創出しながら、グループ全体で資産効率の改善にも取り組んでまいります。なお、ホームセンター事業の規模拡大とセグメント別収益・資産構成の変化が見込まれることから、中期3ヵ年経営計画の最終年度(2021年3月期)の定量目標を、「営業収益6,800億円、経常利益210億円」、収益性指標を「ROA5.6%以上、ROE7.7%以上」に更新しています。
 さらに、商品開発や店舗運営を担う人材開発にも注力してゆきます。現在、リアル店舗に突きつけられている課題は、お客様が欲しいと思う商品があるか、お客様に近い場所で商品の魅力を伝える従業員や店舗全体に活気があるかだと認識しています。創立60周年事業の一環として開設した人材開発センターで、商品知識や技術を習得する研修や店長や次世代幹部を対象とするマネジメント研修を拡充し、自ら考える人材を育成しながら、「働きたい」会社を従業員と共に創ってまいります。

配当と2020年3月期の見通しについてお聞かせください

 当期の期末配当は、安定的かつ継続的な利益還元を行う方針に基づき、予定通り1株当たり26円とさせていただきました。これにより、中間配当の同22円と合わせた年間配当額は、前期比3円増配の同48円(配当性向31.4%)となりました。2020年3月期も増配を継続し、年間配当金を同52円(中間同24円、期末同28円)とする予定です。
 2020年3月期の連結業績は、営業収益6,600億円(当期比1 6.6%増)、営業利益166 億円(同16.8%増)、経常利益183億円(同13.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益90億円(同13.8%増)を見込んでいます。競争力あるフォーマットへの転換を確実に進めるとともに、ホームセンター事業の統合効果を創出し、収益性の向上に努めてまいります。
 株主の皆様におかれましては、当社グループが進める中長期的な取り組みへのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。