社長メッセージMESSAGE

    デスティネーション・カンパニーとしての
    圧倒的な存在感を築き上げていきます。
    代表取締役会長兼社長 田代 正美
    ※デスティネーション・カンパニー…社会から選ばれる企業
    代表取締役会長兼社長
    田代 正美

    2021年3月期を振り返って

    この1年間は、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が社会全体を覆い、人々は新たな生活様式への対応を求められ、消費行動にも変化が表れました。しかし当社グループは、コロナ環境以前からの経営課題として、お客様の新たなニーズを捉えた店舗競争力の向上を目指し、中期3ヵ年経営計画の基本方針に掲げる「店舗数から商品力へのパラダイムシフト」に取り組んできました。

    その取り組みの大きな柱が、「デスティネーション・ストア」への転換です。コンビニエンスストアやドラッグストアが食品販売を強化し、従来スーパーマーケットが武器としていた「商圏の近さ」による優位性が失われる中、個性的な商品・カテゴリー構成そのものを来店動機とするデスティネーション・ストアへの転換により、商圏を越えてお客様を獲得すべく、私たちは生鮮部門を拡充する店舗改装を進めつつ、プライベート・ブランドのリニューアルなど商品力の向上を図ってきました。

    結果として当期のスーパーマーケット事業は、コロナ環境下における「巣ごもり需要」を取り込んで大きく躍進し、グループ全体の業績拡大を牽引しました。私たちは、お客様のご支持を得て、取り組みの方向性の正しさに自信を深め、同時に、スーパーマーケット事業を取り巻く市場の変化をコロナ禍が加速したことを認識しました。その変化は、事業所向け配送事業「ainoma(アイノマ)」によるEC(電子商取引)展開の奏功にも表れています。

    ドラッグストア事業およびホームセンター事業は、ともにコロナ環境下における新たな生活様式に求められる商品や、「巣ごもり需要」に対応した商品の販売が増加し、営業収益を伸ばしました。特にホームセンター事業は、アレンザホールディングス株式会社との経営統合効果が利益面にも表れ、グループ全体の増益に大きく寄与しました。

    一方、スポーツクラブ事業は、緊急事態宣言の発出に伴う休業要請を受け、店舗の営業を自粛したことに加え、一部店舗を閉鎖したことなどにより、減収・減益を余儀なくされました。

    以上により当期の連結業績は、営業収益が26期連続増収となる7,301億68百万円(前期比7.7%増)に達し、利益面は、営業利益256億48百万円(同65.3%増)、経常利益283億97百万円(同68.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益125億92百万円(同94.4%増)と、いずれも大幅増益で過去最高を更新しました。

    中期3ヵ年経営計画の総括

    2019年3月期から始動した中期3ヵ年経営計画は、最終年度の定量目標として設定した「営業収益6,800億円」「経常利益210億円」「ROA 5.6%以上」「ROE 7.7%以上」を全て達成することができました。スーパーマーケット事業の既存店を中心とする収益改善の目処が立ったと捉えています。

    過去を遡ると当社グループは、2011年3月期からの中期5ヵ年経営計画において「事業規模の拡大」を基本方針に掲げ、積極出店と製造小売業機能の拡充を進めました。続く2016年3月期からの中期3ヵ年経営計画では「経営効率の改善」を目指し、スーパーマーケット事業の構造改革とインフラの効率化を進めつつ、ドラッグストア事業にグループ成長の牽引を託し、高水準の出店を続けました。

    これを引き継いだ今般の終了計画では、冒頭に述べました通り「店舗数から商品力へのパラダイムシフト」を基本方針とする経営に舵を切り、計画策定時には想定していなかったコロナ禍による環境変化の中で、着実な成長を遂げました。

    中長期経営方針と新3ヵ年計画

    当社グループは、これからの社会において「どのような存在でありたいか」「どのように価値創造を図るのか」をあらためて整理し、2030年3月期に向けた中長期経営方針「バローグループ・ビジョン2030」および「サステナビリティ・ビジョン2030」として明確に定めました。

    「バローグループ・ビジョン2030」は、当社グループの商品・サービス・決済で地域をつなぐ「バロー経済圏」の形成を構想するもので、デスティネーション・ストアから「デスティネーション・カンパニー」への進化を目指します。これまでの当社グループによる事業展開の拡がりが、地域社会・行政・企業の要請による新たなビジネスチャンスを生んでおり、それを活かす形で店舗の枠を超えた包括的な経済圏を構築していく考えです。

    「サステナビリティ・ビジョン2030」は、事業活動を通じて持続可能な社会に貢献し、すべてのステークホルダーとともに発展する企業として存続を目指すものです。CO2・温室効果ガス排出量や食品廃棄物発生量などの削減に関するKPIを設定し、環境負荷低減への取り組みを長期的に継続します。

    そして、この二つのビジョンを実現するためのファーストステップとして、新中期3ヵ年経営計画(2022年3月期~2024年3月期)を策定しました。本計画は、「コネクト2030 ~商品・顧客・社会を繋ぐ」を戦略目標に掲げ、最終年度の2024年3月期における「営業収益7,800億円」「営業利益290億円」「経常利益310億円」「ROE 9.3%」「ROIC 6.3%」「D/Eレシオ0.6倍」の達成を目指します。

    私たちは、「環境負荷の低減」を求める社会的要請に応えつつ、「グループ・ガバナンスの強化」を通じて経営の透明性を高め、サステナブルな企業への基盤を築き上げます。その上で、デスティネーション・ストアへの転換と製造機能の強化による「商品力の向上」、EC戦略を中心とする「顧客との接点強化」、ローコスト経営と資産効率を追求する「生産性の改善」の三つを遂行していきます。

    株主の皆様へのメッセージ

    今回の期末配当は、安定配当の継続を重視しつつ、還元水準の向上を目指す考えのもと、1株当たり29円とさせていただきました。これにより中間配当の同25円と合わせた年間配当額は、前期比2円増配の同54円(配当性向23.0%)となりました。

    2022年3月期は、デスティネーション・ストアへの転換に向けた店舗改装や、EC戦略推進への先行投資などの費用が増加し、減益となる見込みですが、引き続き増配を維持し、年間配当額を同56円(中間同26円・期末同30円)とする予定です。

    私たちは、これからの3年間で「デスティネーション・カンパニー」を目指すスタンスをしっかりと固め、企業としての圧倒的な存在感を築き上げながら、地域社会の発展に貢献してまいります。株主の皆様におかれましては、引き続き長期的なご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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